シーズンを通してそれぞれのポジションで最も守備力に卓越した選手に与えられる三井ゴールデン・グラブ賞は、前身のダイヤモンドグラブ賞が制定された1972年から節目の50回を数えた。
その記念として、ファン投票で歴代最強の守備人を決める「三井ゴールデン・グラブ・レジェンズ」キャンペーンが実施され、2022年に栄えある受賞者が発表された(有効投票者数=25,950票)。
結果を踏まえて、野球ゲーム「パワプロ2022」の選手能力データも参照して多角的に検証していきたい。
「三井ゴールデン・グラブ・レジェンズ」受賞者
一流プレーヤーが勢揃い
各ポジションの1位は次の図とおり(外野手は3位まで)。
当然だが超一流選手がそろった。
守備力の最高峰を選出する企画にもかかわらず、かなり良い打線も組める布陣。
意外にもスラッガータイプがきちんといる。小技を使える選手も多い。
投手の投票結果
投手部門は「平成の怪物」松坂大輔をおさえて桑田真澄が選出された。
桑田の守備能力は高校生時代から折り紙付きで、巨人入団時には球団OBから「桑田にショートを任せれば10年は安泰だ」とさえ言われた。余談だが、桑田はバッティングの能力も極めて高かった。
3位には、現在メジャーリーグでの活躍めざましい前田健太。現役投手の中ではフィールディングの巧みさがフォーカスされる人物である。
捕手の投票結果
なんと2位の5倍ほどの得票差をつけて、ヤクルトスワローズで一時代を築いた古田敦也が選出された。
強肩が印象深い守備に加えて「球界の頭脳」と呼ばれた抜群のリード面も高評価につながったと思われる。
2位はNPB最多試合出場の記録を持つ谷繁元信。獲得票が意外に伸びなかった印象だが、負担が重いポジションの捕手として、ファールグラウンドの広いナゴヤドームで多くの試合に出場した実績は称えられるべきことだろう。
一塁手の結果発表
選出されたのはレジェンド中のレジェンド、王貞治。ほぼ1990年代以降に活躍した選手が選ばれている中で、意外としか言いようがない結果だ。
どうしても「世界一のホームランバッター」という印象が強く出てしまうが、調べてみると通算守備率が.994という高さ。一塁手は守備力に難がある者が多い中、かなりの安定感を持つ選手だったようだ。
2位のJ・ロペスは、2018年に守備率10割という信じがたい記録を残すほどの名手だった。
二塁手の結果発表
地味ながら細かい技が求められる、守備の上手い選手がつくポジションだ。そこで1位を獲得したのが現役バリバリの菊池涼介。
これには異論を挟む人はほぼいないだろう。現代における最高の守備職人であり、史上最高の二塁手になるだろう…というか史上最高であると、この投票で認められた。
2位は中日ドラゴンズにて、井端弘和との二遊間で「アライバ・コンビ」として名をはせた荒木雅博となった。
三塁手の結果発表
1位に選ばれた中村紀洋は、豪快なバッティングのイメージが強いが守備力もかなりのものだ。
決して小回りがきく選手ではないが「ホットコーナー」と呼ばれるポジションでホットな守備を見せてくれた。
2位はベテランになって遊撃手からコンバートとなった宮本慎也がランクイン。
ホットコーナーだけあって松田宣浩といった人間的にもホットな選手がランキングに入った。
遊撃手の結果発表
投手・捕手のように、場合によってはそれ以上のレベルや負担が要求される遊撃手。当然ここでも名手がそろった。
1位の井端弘和は先述したとおり、荒木雅博との「アライバ・コンビ」として中日ドラゴンズの黄金時代を支えた名選手。
そしてなんと三塁手で2位の宮本慎也が遊撃手部門でも2位に食い込むという結果に。野球ファンから二つのポジションで高評価を受ける格好となった。名実ともに守備のスペシャリストと言えよう。
外野手の結果発表
- 1位 イチロー 16,398票
- 2位 新庄剛志 11,478票
- 3位 秋山幸二 7,110票
- 4位 福本豊 4,038票
- 5位 飯田哲也 3,298票
- 6位 赤星憲広 2,640票
- 7位 高橋由伸 2,636票
- 8位 秋山翔吾 2,449票
外野手の結果はほとんどの野球ファンが納得する結果ではないだろうか。
1位の「レジェンド」イチローは、日米通算の守備率が.993という安定性に加えてメジャーリーグで「レーザービーム」と称された送球ができる超強肩。圧倒的な俊足も併せ持ち、史上最高の外野手として末永く球史に名を残すだろう。
2位のビッグボスこと新庄剛志も高度な守備力で堂々の受賞。彼もメジャーリーグで存在感を見せた名選手。
3位に入った秋山幸二もその高い身体能力は誰もが認めるところであり、西武黄金期には一部から「世界一の外野」と称えられる選手陣の一翼を担った。また、現役当時は「メジャーリーグで十分通用する逸材」といわれたものである。
トップ3を見ると、この面々で外野を固めたら本当に「世界一の外野陣」が作れるのではないか。
4位以下も福本豊・飯田哲也・赤星憲広といった俊足自慢の選手が並んでいる。球場が広くなった近年、ますますスピード(走力)とパワー(肩力)の重要性が高くなっているという背景による投票結果なのではないだろうか。
パワプロの選手能力値をもとに検証
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