こんにちは。前健です。
今回は、好評だった「勉強はゲームだ!」の続きをお送りします。
まだ読んでいない方は、気が向いたらどうぞ(読まずに今回の記事だけでも大丈夫な作りになってはいます)。
義務教育課程はひたすら暗記を!
義務教育課程を習得する重要性
ムツゴロウさんの愛称で親しまれている、東京大学出身の作家・畑正憲さんは「高校くらいまでに学校で教わることは数百年~数千年前に証明されていることだから、理解できないのはおかしい」と言っています。
さすがにこれは超秀才による極端な意見かもしれません。しかし少なくとも義務教育課程に関しては、国が義務にしている以上、きちんと習得する必要はあるかと思います。
日本はここ数十年で、高校進学率はもちろん大学進学率も上昇の一途をたどりました。ところが、大学を卒業した人でも基礎的学力がかなり不足しているという状況を多く目にします。
そして、義務教育のみを修了して社会に出ている人たちも、ほとんどは義務教育課程の多くをきちんと習得していないのが実状だと思います。
義務教育をしっかり修める必要がある理由は多々ありますが、ひとつだけ挙げれば「基礎学力がしっかりしていれば社会に出ても上の学校に進んでも有利に生活を送れるから」です。
中学・高校を卒業して社会人になる場合でも、大学やその上を目指していく場合でも、義務教育課程をしっかりおさえているかどうかで他人との差は違ってきます。知識はもちろんのこと、理解力や想像・創造力といった現在叫ばれている「考える力」の土台となるのです。
国語以外はすべて暗記科目と心得るべし
「昔のような詰め込み教育は駄目だ。これからは自分で考える能力を伸ばすための教育が大切」という考えが広まって、実際に文部科学省・教育現場の方針も完全にそういうことになって久しいですね。
私は、自分で考える能力を伸ばす教育に対して大賛成です。しかし。人間がものを考えるためには知識がなければいけません。知識が不十分なのに考える、という行為は、料理に例えればネタ(食材)がほとんど無いのに美味しくて栄養価が高い料理を作ろうとすることに近く、かなり無理があります。
人間の記憶力のピークは個人差がありますが、だいたい12歳くらいと言われています。この前後の時期に知識を詰め込まないのは実にもったいない。とにかく勉強に限らず、あらゆることを暗記・吸収させてあげたいところです。
この記事では勉強について考えていきますが、正直に言って義務教育においては国語以外の教科は暗記科目だという論を展開します。
数学(算数)や英語は、広く世間においては「積み上げ教科」であって、一度つまずくと復活は困難と言われています。
しかし以前の記事にも書きましたが、義務教育課程は完全にヌルゲーなのです。それゆえに、あえて言います。「全教科の教科書を丸暗記すればオーケー」。
幸いにも日本の教科書は薄い上に内容もシンプル。何も社会科などだけが暗記科目ではないのです。
とはいえ、数学(算数)などは論理的思考などが必要なのでは?と思われる人もいるでしょう。
しかし、たとえばかけ算の九九。あれは小学生が算数の授業で早い段階で丸暗記すべき重要なミッションですが、あのノリで算数と数学は、公式などすべて丸暗記してしまってください。
英語も、単語と文法など教科書を丸暗記。中学英語レベルはこれだけで十分試験で通用しますよ!
もちろん社会科や理科も丸暗記です。むしろこれらの教科は丸暗記するのが自然です。丸暗記以外は論外です。自分の頭で考える力をつけるのは、そのあとです。
国語は例外
国語は勉強の根幹
当然、国語も暗記しなければいけない事はあります。漢字や古語、文学史など…。しかし、それは全体から見れば些細なものなのでサクサク暗記してしまいましょう。
問題は読解力です。これは多分に論理的思考力が試される分野であり、暗記力はほとんど意味をなしません。
そして国語の能力が人生における成功・不成功の分水嶺になります。
また、後々の中等教育・高等教育の課程での成績に響いてくるのです。
勉強時間より読書時間
読解力をはじめとした論理的思考力は、学生時代の学力・成績、そして大人になってからのビジネスその他で大いに役に立ちます。
しかし、正直に言って学校での授業・教科書だけでは身に付きづらいでしょう。
私が長年提唱しているのが「勉強より読書を優先しろ!」です。
以前の記事「勉強はゲームだ!」でも 書きましたが、はっきり言って義務教育での勉強はヌルゲーです。少なくとも、時間があったらひたすら勉強をするというのは必要ないはずです。
古今東西、そして老若男女問わずに最強の勉強法は読書です。
いや、勉強がさほど不得手だとしても社会人としてやっていけますが、本を読まない人は人間にさえなれない、と申せましょう。
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新聞はとるべし
ネットニュースの普及などが原因で紙の新聞が売れ行き不調の昨今。「もはや新聞には価値がない」とさえ言われていますね。
しかし、さすがに40歳以上のビジネスパーソンならば新聞くらいは目を通しているかと思います(そうでないとかなりマズイでしょう)。
新聞がとかく侮られている現代に、真面目に新聞について考えてみると、はっきり言って毎日あれだけの情報が詰まったメディアが毎朝自宅に届くというのは世界的奇跡であり、コスパも素晴らしすぎると私は考えます。
新聞をしっかり毎朝30分読めば、国語力の向上はまず間違いないです。さらには社会的知見も得ることができて、まさに一挙両得といったところでしょう。
国語辞典読破のススメ
国語力を大いに高めるのにとてつもない威力を発揮するのが、国語辞典の「読破」です。もちろん紙のもの。小型国語辞典(『新明解国語辞典』など)でオッケー。ぜひ最初から最後まで読み切ってください。
「そんなことが可能なのか!?」と訝しく思う向きもあるでしょうが、小型国語辞典のページ数はだいたい1200~1300。一日1ページだけ目を通すだけで、読破に三年もかからないのです。
語彙の豊富さは人生全般の成功に深く関与する、と言われています。国語辞典読破の経験は、学校での成績という次元を超えたものを与えてくれるでしょう。
教育格差について
遺伝はほぼ関係なし
優れてハイレベルな領域(つまり天才)を目指すならば別ですが、学校、特に義務教育での課程においては、親の能力が子どもに強く影響することはない、というのが私の持論です。私の例を出せば、両親ともに高等教育を受けた人間ではないのですが、それでも全国トップの成績をとることができました。
少なくとも、子どもの成績の良し悪しは親の能力とはまったく無関係であると声を大にして申し上げておきます。
経済格差も教科書丸暗記で乗り切る
日本も今や経済格差が広がってしまいましたが、それを安易に教育格差に結びつけるのは早計です。
義務教育は、学校にて無償で配られる教科書の内容を暗記すればすぐにトップにいけるヌルゲー世界。なので、高額な金銭を支払わねばならない塾や家庭教師は特に必要ありません。とにかく教科書丸暗記で乗り切ってください。
まとめ
義務教育において勉強はほぼ丸暗記で臨むこと、本・新聞・国語辞典というアナログツールを軽視せず真剣に取り組むこと。これが高校に進んだあとの「自分で考える力」の土台になります。
くれぐれも、脳内に材料を仕込まずに「自分で考える」という愚は避けていただきたく思います。
最後に孔子の有名な言葉で締めます。
「子の曰わく、学んで思わざれば則ち罔し、思うて学ざれば則ち殆うし」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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