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前健雑記

漫画家を志すも夢破れたライターの40代「半隠居」男による雑記

漫画家志望者にとって「編集運が悪い」は本当にあるのか?

こんにちは。前健です。

 

漫画家志望者の間でたま~に交わされる言葉に「編集運が悪い」があります。

 

「編集運が悪い」の意味を私なりの解釈で説明します。良い漫画を描いているはずなのに漫画編集者たちにことごとく認められなかったり、頻繁に漫画編集者からひどい目に遭わされる……といった現象と認識しております。

 

今回は私の過去の経験なども交えつつ、運という、自分の力ではほぼどうにもならないことについて考えていきます。

 

 


いきなり結論

 

基本的に「編集運が悪い」という事象はないのではと思います。ほぼ九割以上、漫画が面白くないから編集部の人たちは漫画家志望者に冷淡な態度をとるのではないでしょうか。

 

面白い漫画を描いたつもりでもそれはあくまで自分での勝手な評価。自己満足。他者が読んだら箸にも棒にもかからない、悪い言葉を使うと「クソ漫画」。そこから目をそらして言い訳として「編集運が悪い」というワードが発動してしまうケースがほとんどだと言えます。

 

編集者も利潤を求める多忙なサラリーマン。売れそうにもない低レベル作品を見せてくる漫画描きに優しく接する余裕はないでしょう。

 

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編集者「またつまらない漫画来たよ…」


私の経験1 メジャー週刊少年誌の新人編集者

 

自分の低レベルさを人のせいにしてはいけない……と若干厳しい言い方をしました(間違ってはいないと思いますが)。しかし、さすがに「これはどう考えても運が悪いとしかいえないのでは?」という私の経験を数例紹介します。

 

18歳のとき。私は、誰もが一度はあこがれる超絶メジャー週刊少年誌へ人生初の漫画持ち込みを敢行しました。

 

余談として言うと、この雑誌の編集部は、高く才能を認められた者しか入ることが許されない場なのですが、ちょうどその時はビルの一階が改装工事中だったので初持ち込みの私でも編集部内に入室を許されたのです。目茶苦茶ラッキー! と、その時は思ったです。

 

さすがは史上最高の発行部数を記録している状態の雑誌を作る場なので、学生アルバイトとおぼしき人たちが、だだっ広い部屋で走り回っていました。

 

私の原稿を見てくれたのは新人編集者・Oさん。結果を急ぐと「面白い! 是非これから僕と一緒に頑張っていこう!」という最高の言葉をいただいて私は天にも昇りそうな気持ちで帰宅。次回作を気合い120%で描き始めたのです。

 

しかし、さらにさらに結果を急ぐと悲劇は起きました。新作を完成させて編集部に電話をかけたところ(当時は携帯電話は普及してなかった)、電話の向こうで別の編集部員が暗めのトーンで応対。

 

何か様子がおかしい……。私が「Oさんに原稿を見ていただきたいんですが」と言うと、電話の向こうの編集さんは「いや、実はOは不幸がありまして」との返答を。

 

ご家族が亡くなったんだろうか? と考えた私は、その編集さんに「ではOさんはいつ戻られますか?」と訊くと、それに対する答えに愕然。

 

「Oが亡くなったんですよ……」

 

マジか。マジなようです。後日、『噂の真相』という雑誌で、Oさんは自殺したとか大麻をやっていたとか確かめようのない報道がされました。それがマジかは地方の一学生には確かめようがない時代でしたが、とにかく自分を高く評価してくれた担当編集さんが死んでしまったのは痛恨事です。そして本当に大麻をやっていたのだとしたら、ラリった頭で私の作品を評価していたのかもしれず……!

 

さすがにこれは自分の力ではどうにもならない不運だと思いました。

 


私の経験2 今となっては編集長の超メジャー週刊少年誌編集者

 

新人賞の賞金を払わない編集部もありました。私が担当氏に払ってほしい旨を伝えると経理に言ってくれ」と変なことをおっしゃる。それ、あなたの仕事なのでは……? と思いつつもほぼ諦めかけた頃に私の自宅に、その編集者からコピック(着色用のマーカー)が届きました。現金ではなく。謎の現物支給。いや、そうじゃないんだけどなあ……と首をひねるしかありません。本当に何だったんだ……。謎。

 

その方は今や編集長にまでなりました。私は出版社の人事などにはまったく疎いですけど、謎が多すぎます。

 

 


私の経験3 中堅出版社の女性編集者

 

某青年誌の女性編集者も少しイヤでしたね。初めて会った瞬間から、とてつもなく不機嫌。私の原稿を読む前から険しい顔でイライラを隠せない、いや、隠す気さえない様子。

 

もちろん原稿を読み終わったあとも、作品の批評そっちのけで上司に対する不満を一時間近くぶちまけていました。いや、大人なんだからそれは部外者たる私に言ってはならないのでは……。

 

この例は「編集運」というより、ただの変な編集さんの話でしたね。

 

 

出版社すっとこ編集列伝 (電撃ジャパンコミックス)

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最後に

 

変な編集者はどこの出版社にも一定数いらっしゃいます。これはどんな業界・組織でも一緒ですね。

 

実際、漫画家志望者の話を直接聞いてみると枕営業を求められたりといった結構エグいこともかなりあるようです。

 

極端な例も多々ありますが、そこはやはり人間同士の付き合い。単に相性が悪いだけというケースもかなりあるでしょう。

 

なので、水準以上の漫画を描けるのであれば「編集運が悪い」と嘆く前に、さっさと合わない編集者とのつながりを絶って色々な編集部をまわったほうが長期的視野からすれば断然得策かと思います。

 

漫画編集者はだいたいは優秀で、漫画を愛しているはず(そうであってほしい)。逆に編集さんから「ああ……自分は漫画家運が悪いな……」と思われないように漫画家志望者のほうも気をつけていきましょう。そういうところから運みたいなものは開けてくるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

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