こんにちは。前健です。
1週間前に東京ビッグサイトにて開催された「コミティア130」にお客(一般参加者)として行ってきました。
今回は、コミティアとは何ぞや? といった疑問に対して大まかな説明をして、コミティア130の実際をレポートします!!
- コミティアとは?
- 希代のギャグ漫画家・相原コージ先生と20年ぶりに再会!
- インスタグラムでファンになった絵描きさんに会う
- 「世界の内田」・内田慎之介さんも出展!
- 大江しんいちろう先生のサインをもらい損ねる!!
- 私の漫画執筆30年は何だったんだろう…??
- 現役バリバリ漫画家・浦田カズヒロ先生も営業! 「出張編集部」
- アフター飲み会での大失態
- まとめ
コミティアとは?
コミティア実行委員会が発行する『ティアズマガジン』によれば、コミティアは「描き手(出展参加者)が、自己表現として作品を発表する。読み手(一般参加者)が、新しい作品との出会いを求めて集う、『場=集会』として開催されます」とあります。
よく、真夏や年末に開催される「コミケ(コミックマーケット)」と間違われますが、コミティアはコミケと違い、出展者は基本的に二次作品ではなくオリジナル作品を発表・販売します。コスプレをする人の入場も禁止です。
とはいえコミケとの違いはそれくらいのもので、出展されている皆さんは自由闊達な表現物の頒布をしています。漫画に限らずイラスト・文芸・評論・音楽・映像・ゲーム・雑貨など、幅広いジャンルの出展があり、1日だけでは足りない! というくらいのよりどりみどりイベントなのです。
また、「出張編集部」なるコーナーがあり、大小関わらず様々な出版社の漫画編集部が編集者を派遣。開催時間内であれば、好きな雑誌の編集部に自分が描いた漫画を持ち込んで批評を受けることが可能です。コミティアのこのシステムからデビューした漫画家さんも多数存在します。
余談ですが、私も過去に何度か出張編集部に持ち込みました(結果は惨敗つづきでしたね…)。
30年の歴史を誇るコミティア。まだ足を運んだことがない人は、この自由な創作と交流の場に是非とも参加することをオススメします!
希代のギャグ漫画家・相原コージ先生と20年ぶりに再会!
私としては今回のコミティアは楽しみにしていたことが多々ありました。
まずは何と言っても『コージ苑』、『かってにシロクマ』、『サルでも描けるまんが教室』、『ムジナ』、『相原コージのなにがオモロイの?』、『一齣漫画宣言』、『Z(ゼット)』他、数々の名作漫画を世に送り出してきた相原コージ先生。
かってにシロクマ SPECIAL EDITION(1) (アクションコミックス)
- 作者: 相原コージ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2018/12/12
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サルまん 2.0~サルでも描けるまんが教室 2.0~ (小学館クリエイティブ単行本)
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- 出版社/メーカー: 小学館
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ツイッターで相原先生の出展を知ったとき、私は絶対にビッグサイトに参上せねばならん! と心に誓っていました。
私が今までギャグ漫画を描いてきた中で「心の師」といえる人は非常に少なかったわけですが、相原コージ先生は、高校生のとき『サルでも描けるまんが教室』(サルまん)で衝撃を受けてからずっと敬愛の念をもって仰ぎ見る存在だったのです。
実は20年近く前に、『相原コージのなにがオモロイの?』の単行本出版イベントで先生に会うという幸運に恵まれていました。他にお客がいないことをいいことにサインをたくさん描いていただいたり、ツーショット写真を撮りまくったり…。若かったとはいえちょっとやり過ぎました。それでも笑顔で応対してくれた相原先生、申し訳ありませんでした! ありがとうございます! (遅いか…)
昼過ぎ。会場内にて「心の師」相原コージ先生を発見! さすがに20年近く経過して私も結構いいトシ。かつてのような失礼がないように恐る恐る近づきます。
相原先生は奥様と並んで椅子にかけていらっしゃいました。奥様がご一緒ならばなおさら無礼は働けない状況です。
まずは相原先生にとって初めての画集を手に取ります。
過去にお会いしたことを話そうか迷いましたが、99.9%忘れていらっしゃるでしょうし、戸惑わせてもいけないと思い、自重。
名作のキャラクターが大きく描かれているクリアファイルも購入します。
ぶしつけな言動をとらないように頭を下げて立ち去ろうとした私に、なんと相原先生からのサプライズが!
私宛ての貴重なサインをしてくださいました! うわぁ…これは20年前のサインとともに家宝にせねば…!!
そしてオマケまでいただきました。
20年ぶりの再会は、相原先生の 神がかった対応に感激しっぱなしの幸福な時間となりました。
インスタグラムでファンになった絵描きさんに会う
感動覚めやらぬ私が次に向かったのが、インスタグラムを見ていて「この絵は素敵じゃ!!」と思い、すっかりファンになってしまったkamoさんのブースです。
絵柄からして女性だろうか…?? と勝手に思っていましたが、果たして案の定女性でした。初対面の美女に緊張する私。心なしかkamoさんも緊張されている様子。緊張というより「何だ? この怪しいオッサンは?」と警戒されていたのかもしれませんが、そうでないことを願うばかりです。
とにかくkamoさんのイラスト集を購入!
立ち去り際に「イ、インスタグラムをいつも拝見しております!」となんとか伝えるとkamoさんは一瞬びっくりしたかのように「あ、ありがとうございます!」と返答。神よ、私にもっと高いコミュニケーション能力をください…。
ちなみに、kamoさんの絵柄に心酔しきった私は、イラスト集に記載されているkamoさんが使用する画材をほぼ買い揃えました。画力は遠く及びませんが…!
「世界の内田」・内田慎之介さんも出展!
今回コミティア会場に赴いた大きな目的のひとつに、内田慎之介さんに会う、ということが含まれていました。コミティアイベントのアフターで皆が集まって飲む予定もあったのです。
内田慎之介さんといえば、今や国内外で高い評価を得て大活躍中の世界初・唯一のマンガライブペインター。コミティアへの出展もまだまだ積極的におこなっています。
私がプロカメラマンになれたのも、元々は「内田さんのライブペイントを撮影したい!」という強い欲求からスタートして、チャンスを掴めたからでした。
数年前、一緒にホストクラブへ行ったこともありましたねぇ…。
私の小説の表紙を飾ってくれたりもしました。
林檎は赤ければ赤いほど赤い (MyISBN - デザインエッグ社)
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最近はマンガライブペイントのみならず、アパレルにも力を入れている内田さん。そのスタイリッシュな画風は、ファッション業界との相性も抜群だと思います! 実際、先日のデザインフェスタでのライブペイントの時に売り出したパーカー、Tシャツなどは大好評をもって迎えられ、売り切れ続出だったとか。
好評過ぎて品薄気味の内田さんのロングTシャツを、私は「取り置きしてほしい」と伝えていたのです。
無論、内田さんは約束通り、最高にクールなロンTを用意してくれていました! ゲット!! そして、これまたクールでイカしたステッカーも購入です。
なお、私のほうからは貢ぎ物として、内田さんが協力してくれた大好評発売中のKindle写真集『漫画家の仕事場』を紙書籍化したもの(非売品)を記念品としてお渡ししました。
漫画家の仕事場: MANGA ARTISTS ROOM (脳下垂体出版部)
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夕方の閉会後に、内田さんを含んだメンバーで集合することを確認してから、私は次の大物に謁見するために場を一旦去ります。
大江しんいちろう先生のサインをもらい損ねる!!
現在、私の中では「読むと幸せな気持ちになる漫画ランキング1位」の『困ったじいさん』を執筆されている大江しんいちろう先生のブースへ。
大江しんいちろう先生といえば「大江慎一郎」名義で、週刊少年ジャンプで連載されていた『私立ポセイドン学園高等部』で有名ですね!
今回は、またもや楽しさ満点の『この職場は地獄だ』も販売されており、絶好調と思われる大江先生。もちろん購入しました。
以前のコミティアでは本を購入したお客に、なんと直筆のネームをプレゼントしてくれたサービス心旺盛な大江先生。
今回は、単行本を持参したお客に直筆サインをしてくれる、というワンダホーな企画を打ち出した大江先生。
しかし! 私は恐ろしいことに気づきます。
大江先生の単行本を持ってくるのを忘れた…!!
まさかの失態に愕然としましたが、大江先生は次回のコミティアにも参加する意思を表明されている、という情報をキャッチしたので、私はリベンジを誓いました! 次回こそは大江先生の直筆サインが欲しいです。先生、よろしくお願いいたしますッ!!
私の漫画執筆30年は何だったんだろう…??
コミティアには企業の出展ブースも多数設けられています。そんな中、某大手画材メーカーがバリエーション豊かな商品を販売しているのを発見。
「そういえば無地のケント紙が欲しいな…」と、店頭を覗いてみます。そこへメーカーの20代とおぼしき男性社員が声をかけてきました。「本日はペン先が半額となっております!」と。
急速にデジタル化が進む漫画業界。そんな中、私は地味にアナログで絵を描くのが楽しくなってきています(一応デジタル作画をする環境は整っていますが、なかなか馴染めない…)。
ペン先が半額とはありがたし! と、その若い男性社員にGペンはあるのかどうか尋ねてみたところ…ああ、いやだ…思い出したくない…。
「Gペンは強弱のある線が引けまして…」
いきなりの超初心者向けペン先講座が始まりましたよ…! 30年以上つけペンで漫画を描いてきた私も、その男性社員からすればド素人にしか見えなかったようですね。若かりし頃には「新人賞荒らし」と呼ばれ、ギャグ漫画の巨匠・浜岡賢次先生から画力を激賞された私も…いや、まあド素人ではあるんですけど!
しかし…確かに40を超えた年齢のわりには貫禄・風格がない私ですが、何が悲しくて ペン先の初歩的な使い方を今さら聞かなければならんのか…。そんな私の千々に乱れる気持ちなどお構いなしに、若手男性社員の講座はしばらく続きました。一応ケント紙は買いました。
現役バリバリ漫画家・浦田カズヒロ先生も営業! 「出張編集部」
そんな傷心の私の肩を叩く人あり。「誰だろう?」と振り返ると、なんと『僕のおじいちゃんが変な話する!』、『もももも百田さん』、『JINBA』などの週刊連載作品で知られ、現在となっては人気YouTuberでもある浦田カズヒロ先生の姿が。
僕のおじいちゃんが変な話する!(1) (マンガボックスコミックス)
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漫画業界きってのイケメン・プレイボーイ(知りませんが)は何故ここに? と訝しく思っていると、出張編集部を色々回っているのだとか。やはり仕事を取る漫画家さんは営業力・行動力が違うなぁ、と感心します。
浦田先生をアフター飲み会に誘おうと思った…のですが、そういえばあまりお酒は飲めない人なんだよなあ…何か忙しそうだし…と少しだけ迷っていたら、先生は「じゃ、また!」と言い残し、風のように去っていきました。
出張編集部は、アマチュアはもちろん、ガチのプロにも広く門戸を開放しています。漫画家志望の人の中には「おっかねぇ…」と思う向きもあるかもしれません。しかし、そこでビビらずにガンガン攻めていく者だけがプロになれる資格を持つのです! …私はプロ漫画家ではないので、これ以上偉そうに語るのは控えますがね…!! ちょっとゴメンナサイ。
アフター飲み会での大失態
コミティアは16時に終了します。終了アナウンスが場内に流れるとみんなで拍手。これもひとつの儀式です。
さて、大収穫でホクホクの私は、先述の内田さんとRくん、そしてHさんが参加する小規模アフター飲み会グループに合流。某駅前の酒場で楽しいひとときを…という運びのはずでしたが…!
私はビールと焼酎を2杯ずつくらいしか飲んでいないのに、眠りこけてしまいました。
Hさんとは初対面なのに、「世界の内田」・内田慎之介が目の前にいるのに。
長年、飲みの席では「寝ない・吐かない・暴れない」を掟としていて、それをきちんと守っていたのにまさかの大失態です。吐いたり暴れるよりは遙かにマシとはいえ…。
内田さんは「疲れているんでしょう」と穏やかに慰めてくれますが、私はさすがにショック。
ちなみに帰りの電車内でも爆睡しました! 疲れどころじゃなくて…これ、トシのせい??!! い、いやだ…!!
まとめ
…落ち着いていきましょう。
「漫画業界はもう落ち目だ」と言われていました。それに伴い、出版業や製紙業も危ういという話が頻繁に語られていました。
しかし、漫画は電子書籍の伸び・ネットでの発表によるマネタイズの整備が進んで名作が次々と出ています。簡単には滅ばない文化です(ちなみに製紙業も、世の中の環境問題に対するプラスチック・ビニール縮小取り組みにより、存在感を取り戻しつつあります)。
コミティアは自由な創作物があふれており、そしてデジタル化が進むメインストリートとは逆に生の人間同士による交流の場です。特に漫画を愛する人にとってはワンダーランドです! ここに来ると私は夢心地になると同時に背筋が伸びる思いで参加者の皆さんを眺めています。
まだコミティア未体験の人は是非、次の開催日にて私と握手!!(握手は要らないですかね!!? 要りませんね!!)