(この記事は2022年5月22日に更新されました)
こんにちは。隠居系ライターの前健です。
プロの漫画家・イラストレーターは言うに及ばず、趣味で絵を描く人も多くがデジタル作画をする時代になりましたね。
ここで問題になるのがペンタブレットに関して。
一般に、
板タブレット(板タブ)→安いけど凄く使いにくい
液晶タブレット(液タブ)→使いやすいけど凄く高価
と考えられています。
「板タブだと上手く線が引けないから液タブを使いたい。でも液タブは高価だからどうにも困った…!」
と、日々思っている人もおられるでしょう。
でもちょっと待った!
・私の長年のデジタル作画奮闘、そして挫折
アナログ絵ならばそこそこの絵を描ける…という自信、あるいは過信を抱いていた私。
しかし、現代のデジタル化の波は容赦なく襲ってきましたよね…!
私もかつて、板タブでどう頑張っても上手く線を引けませんでした。
かなり困って悩んだあげく、思いきって液タブを購入したことがあります。
当時10万円以上する液タブを導入したそのときばかりは、「これで思い通りに線が引けてイイ絵を量産できる!」と一人ほくそ笑んだのを覚えています。
結果を先に言うと液タブを導入しても描きにくさは変わりませんでした…!!
「なぜだ!? 周りのプロ漫画家はみんな液タブでガンガン原稿を量産しているのに、私ときたら線を上手く引くことさえおぼつかない…!! アナログ(紙に手描き)で描くような感覚を手に入れられない! デジタル作画は違和感だらけだ!!」
と、すっかりデジタル作画に嫌気がさして液タブを業者に売却してしまいました。
3万円くらいしか値がつかなかったですね…今考えるともったいない…!!
「自分が絵を描くときはアナログしかない」と、アナログ画材を集めるのが趣味になってしまいました(これはこれで楽しかったですけど)。
たまに板タブでデジタル作画しても、かなりひどい有り様。
・「ペン設定」は本当に大事
ひょんなことから、板タブのペン設定をいじってみよう、と思い立ちました。
すると、「縦横比を保持」の項目に気づき、そこにはチェックが入っていません。
試しにチェックを入れます。
するとどうでしょう。
あれだけ違和感があった、液タブでも違和感があったデジタル作画が「あれ? かなり直感的に、紙に描くのに近いコンディションでイケるぞ!」という事態に!
まさかの展開に喜びを感じましたが、同時に「何年も気づかなかった自分は一体…」と少々落ち込んだといえば落ち込みましたね…。
でも結果オーライです!(絵に関して実績は特に残せていませんが!)
・自分で板タブをカスタマイズ
それでも板タブはツルツル滑ってちょっとイヤな描き味。
そこで、ベタではありますが、板タブの表面にコピー用紙を貼り付けてみました。
これである程度のペンの引っかかりができてアナログ作画にやや近い描き味になります。
そして、おそらく板タブが使いにくいというのは絵と手元が離れているからではないか、という考えに至った私は書見台を利用して、かなり角度をつけて板タブを配置してみました。
まさか書見台がこの局面で活躍するとは思いもよりませんでした…!
・板タブでもアナログと同感覚で描けるようになって最高!
今となっては、自分の初期設定ミスでデジタル作画を挫折しそうになったことは良い思い出…ではなく、「ああ、俺は時間もカネも無駄にしまくった!!」という気持ち大です。
ともあれ、今はデジタル作画が楽しくて仕方ないです!
この絵を見て「下手だなぁ…」と思う人も多いでしょうが、以前の絵と比べてみればずいぶんマシになったのでは、と自負しております!!
・(2020年10月5日現在、これくらいの絵を板タブで描けるようになりました)
結論
当然、絵を描くという行為は一生を費やす修行ですので、液タブなどの道具に徹底的にこだわっていく道もあるかと思います。
しかし、今ひとつ費用面などで液タブ購入が難しいという方々には「工夫すれば板タブもかなりのパフォーマンスを展開してくれるよ!」と申し上げたいです! コスパ最高ですよ。
たぶん私はこれから液タブを購入することはないんじゃないか、というくらいの満足を感じています。
実際、プロの漫画家さんでも板タブオンリーで下描きから仕上げまでやってしまう人がいます(もちろん上手い)!
世間に流されずに(私は一時期流されましたが…)、自分なりの工夫があればさほど高価な道具を使わなくても十分に良い絵が描けると思いますよ!
とにもかくにも、私の結論としては無理をしてまで液タブを買う必要はなし! です!
↓オススメのペンタブ3選です!