(この記事は2022年6月18日に更新されました)
こんにちは! 前健です! 相変わらず流浪の人生を送っております。
皆さんは「隠居」という言葉にどんなイメージを抱いているでしょうか?
定年退職した高齢者が盆栽をいじったり、孫がたまに遊びに来るのを心待ちにしたりしてゆっくり過ごす……。
たぶん大体そんな感じだと思います。かつて私もそういう考えでした。
しかし、時代は令和。終身雇用制もかなり崩れてきていると言われる現代日本において、「定年退職からの隠居生活に突入!」というコースがすべてではなくなっているのではないでしょうか?
実際、45歳の私は退職はおろか、一度も企業に就職せず、フリーランスでの仕事を続けた後にあまりにも早いセミリタイアをしました。
ここでは、アラフォーで隠居した私の生活の実態や、40代での隠居生活におけるメリット・デメリットについてお話しします。
「そもそも隠居って何だ?」という疑問を持たれた方はこの記事をどうぞ!↓
隠居とはそもそも何か?隠居するのに資格は必要か?を徹底解説!
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アラフォー隠居の実態
夢追いフリーター(プータロー)から文筆家・カメラマンに転身して時間に追われまくり、血ヘドを吐きつつバリッバリに働いていた日々が「夢でも見てたんじゃないの?」と思ってしまうくらい、現在は自宅でダラダラしています。
若いときの「四十代になったら外国の富裕層みたいにセミリタイアして隠居したいなぁ」という漠然とした夢が叶ってしまいました。
こんなに人生ちょろいものなのか!? ずっと続く長い長い夏休みを満喫! 好きな本・漫画を読んだり写真を撮ったりゲームをやったり。最高すぎる! フォー!
……という状況は嘘ではない。嘘ではないのですが、もちろん世の中は甘くないです。
単純にちょっと体調を崩して仕事を少しずつ減らした結果、図らずも隠居のような身分になってしまったのですから。
隠居生活といえば経済的にも時間的にも体力的にも余裕があって悠々自適、というスタイルが理想でしょうが、少なくとも私のケースではそんなことはありません。
あ、でも時間だけはメチャクチャあるな……。
正直に白状すれば、世間の厳しい現実から遠い場所に身を置きたいという逃避願望が募った結果が隠居だったわけです。
とにかく、そんな私の平均的な一日を紹介します!
起床時刻はだいたい午前3時から正午の間。
日によってまちまちです。
ものすごく変動します。
いつ起きようが自由なので……。
その日の気分で睡眠時間もかなり変わってきます。
まあ身体を壊さない程度には睡眠をとります。
少しボーッとした後に朝食。
献立は、生卵と納豆そして具だくさんの味噌汁。
「一汁一菜」にあこがれているので、段々そうしていきたいな~と思っています。
食後も基本的にボーッとします。
コーヒーを飲みつつ、メール・SNSのチェックやネットサーフィン、たまにちょこっと在宅ワークなど。
あっという間に昼になります。
腹が膨れればオッケーなスタンスですね。
昼食後はボーッと動画サイトを視聴したり、軽く近所を散歩しながら写真撮影をしたり、読書や犬と遊んだり、興が乗ればまた在宅ワークをしたりと、その時の気分によってやることは違いますが、基本的に好きなことをしています。
そして夕食。
スーパーで売ってる安い赤ワインをチビチビやりながら、冷蔵庫にある食材を生かした適当なものを食べます。
夕食後は酔いも手伝ってさらにボーッとしながら、楽器を弾いたり絵を描いたりします。
就寝時刻も日によってまちまち。
眠くなったら風呂に入って寝ます。
それにしても一日は夢のように、驚くほどあっという間に過ぎていきますね。
「おいおい! 一日中ボーッと暮らしてるじゃないか! ダメだろう!」というツッコミを入れたい人もいらっしゃるでしょう。
でもいいんです! 隠居生活なんだから! むしろ隠居生活の中でイヤなことをする意味が分かりません!
それなりの覚悟(?)を持って隠居したのだから、徹底的に好きなように生きなきゃね!
とにかくポイントは、起きたい時に起きて寝たい時に寝る! です!
隠居のメリット
これから述べるメリット・デメリットの多くは、ほとんどアラフォー世代に限ったことではないかもしれませんが……。
アラフォー隠居のメリット1
圧倒的な時間の余裕が生まれる
隠居の醍醐味はなんと言っても自由な時間が増えることですね!
一日のほとんどが自由時間です。
あまりにも自由すぎるので、時間に不自由な人がいきなりその環境に置かれたら途方に暮れるかもしれません。
でも私は、暇で暇で仕方がないという状況がちょうどいい性格なので、隠居は天職でした。
……職業じゃないけど。
たまーに、気楽に遊びに行ったりしますね。
アラフォー隠居のメリット2
好きなことができる
犯罪、あるいは公共の福祉を害さない限り、好きなことをヤリまくれます。
イヤなことはほとんどしません。
このストレスフリーな身分は、王侯貴族の地位とも交換できないですね!
アラフォー隠居のメリット3
自分を見つめ直せる
あまりにも忙しくて好きなこともできない身の上では、自分のことを見失うこともあるのではないでしょうか?
実際、過去の私がそうでした。
メンタルに余裕がなくなると人間として大事なことが分からなくなることがあります。
隠居生活を始めてみて、私は自分の精神の中にある大切なサムシングを取り戻すことができた……ような気がします。
とりあえず、心の余裕、大事。
アラフォー隠居のメリット4
会いたくない人に会わずに済む
これは大きいです。
企業に就職したことがない私でさえ、仕事関係でイヤな人に会わなければならなかったし、話さなければならなかったし、ましてや屈辱的に頭を下げねばならない局面があったりとか何とか……!!
自室に一人ひきこもる生活は、自分にとって必要ない人間・害を及ぼす人間と隔絶可能な夢のそれです。最高!
アラフォー隠居のメリット5
中年でありながら新たな可能性が生まれるかも
アラフォー・40代といっても、「人生100年時代」といわれる昨今では、まだまだ若いといえば若い。
なので、有り余る自由時間を使って新しいことにチャレンジするのも良いことだと思います。
現在(2022年6月)、「定活」という言葉が世間に出回っています。
これは定年退職を控えた40~50代の中年世代が精神的あるいは経済的に豊かな老後を送るために、新しい趣味や人間関係や副業を自ら創出する活動なのだとか。
私は若い頃からヘラヘラ生きてきたおかげか、楽しい趣味や人間関係は自分でも把握できないくらい持っているのでわざわざ「定活」を始める気はありません。
しかし今まで仕事一筋で頑張ってきた人はやってみる価値は大きいのではないでしょうか。
まだ体力もあり、隠居開始によって時間が余りまくっている状況ならばいくらでも新しいことを始められると思います。
隠居のデメリット
アラフォー隠居のデメリット1
引きこもりがちになる・孤独になる
当たり前のことですが、半分世を捨てて生きる以上、孤独にはなります。
外に勤めるということがなければ、どうしても引きこもりがちになります。
私の場合は生まれついてのインドア派で孤独耐性も強いと思っているので平気ですが、自宅にこもって一人鬱々と寂しい心持ちで暮らす隠居者もいるらしいです。
隠居同士、なかなか会わないので詳しいことは分かりませんが……。
アラフォー隠居のデメリット2
太る・不健康になる
正直、隠居生活に甘えきって不規則な生活・運動不足が数ヶ月続いただけでかなり太ります!
「私が証明です!」と叫びたい! 夜、就寝前にカップそばを食べる、というちょっとアレな生活をするだけで体重30キロは余裕で増えましたね。
極度の夜更かし・偏った食生活は、身体だけではなくメンタルをも少しずつですが確実に壊しにかかってきます。
アラフォー隠居のデメリット3
お金がなくなる
ほとんど働かず、特に不労所得もない人(つまり私のような者)は、かなり生活を切り詰めているつもりでも、信じがたいスピードでお金が減っていきます。
ろくに収入がないのに人間として最低限の文化的な生活を営む、ということがいかに困難か。
いや、まあ困難というより無理ですね。まずもって。
デメリットへの対策
交際費はある程度確保
先ほど「孤独耐性が強い」とのたまった舌の根も渇かないうちに言うのも何ですが、私は心安い友人と会ってお酒を飲むのは好きです。
半分世を捨てたとはいえ、半分は俗世間と関わっているのだから人との交際はあっていいと思います。気分転換にもなるし。
しかし、たまーに外出して友人と飲むというのも意外と大きな出費なので、自宅で生活する上であまり必要ではないモノにはお金を使わずに一定の交際費は確保しておいたほうが良いでしょう。
運動する
できれば起床時刻と就寝時刻をきちんと決めて、一日最低30分は運動したほうがいいです。
激しい筋トレなら15分でも大丈夫かと思います。
散歩などの軽い運動なら1時間くらいが目安でしょうか。これは個人差があるので自分に見合った量をこなしましょう。やりすぎも禁物!
心身の健康を保つために、運動は本当に大切です。
適度に疲れればよく眠れますしね。
生活水準を落としまくる
隠居生活においては多額の不労所得でもない限り、浪費は禁物です。
浪費どころか一般的なお金の使い方をしても、先述の通り勢いよく現金は減っていきます。
こうなると、どこまで生活水準を落とせるかの勝負になってきます。
アラフォー・40代なら体力の衰えも高齢者に比べれば軽いと思いますので、野草を摘んできて食す、マイカーや公共交通機関は使わずに徒歩や自転車で移動する、冷暖房は可能な限り使わない、などの身の処し方でレッツ・倹約♪
野草を食べて生きることに関しては、20代で隠居生活を始めた猛者である大原扁理さんの著作、タイトルはズバリ『20代で隠居 週休5日の快適生活』に詳しいです。
野草食生活に限らず、隠居にまつわる至言・名言に溢れ、隠居生活を志向する者の興味・関心を満たし、モチベーション向上の原理を提供してくれる名作!
最低限の収入は確保する
お金がなくなって生活できなくなったら、日本では生活保護というセーフティネットを利用する手があります。
でも、特に健康に問題がないアラフォーなら少しは働きましょう。
本来ならばまったく働かずにひっそりと暮らしたい、という考えは分かります(私もそうですよ、そりゃあ!)。
しょうもない事にお金を使わなければ、仕事をするといってもイヤなことを毎日十数時間もする必要はないでしょう。
自分が望む最低限の生活費・娯楽費を稼げばオッケーです。
毎月わずかでも貯金ができればなお良し!
私の場合は普段、ウェブライターとして、なるべく気に入った仕事のみを選んで執筆しています。
特別に頼まれればカメラマンとしても撮影現場へ。
写真撮影も可能な限りやりたい仕事しかやらない主義です。
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ちなみに、ライターなどをしながらの私の隠居生活スケジュールをレポートした記事はこちらです。
隠居生活者必読の書籍を紹介した記事です。
プロカメラマンになった経緯はこちらです。
隠居に向いている人、向いていない人
隠居するのに特別な才能は必要ありません。しかし、どうしても向き不向きはありますね。
アラフォー隠居生活を送る素質がある人は、なんといっても無為で孤独な毎日に耐えられる……というよりそれを楽しめてしまう人。そして貧乏上等! という心構えがある人。さらに世間の目をほとんど気にすることなく、他人と自分を比較しない人。この三本柱がしっかりしてれば今日からでも隠居できます。
隠居生活の素質がない……というか、向いていない人はその逆。
何か一所懸命頑張ったり誰かといないと耐えられない人や、お金がないと落ち着かない人。何より、世間の目を気にし過ぎたり他人と自分を比べては自己嫌悪に陥りがちな人です。
まとめ
世捨て人にならない程度には少し頑張ったほうがいいかも
隠居。それはニートとどう違うんだ? と思う方はご心配なく。
ニートと呼ばれるのは「働いたり学んだりする意志がない15歳~34歳」と国が定めています。
とっくにアラフォー世代は、ニートなどという身分には縁がありません。仕事をしていなければただの「無職のオジサン・オバサン」です。
別に隠居を自称しても誰も文句をつけてこないと思います。ご安心を!
え? 余計に心配? まあ分かります。
私も生活が破綻する恐怖を抱いていないと言ったら嘘になります。
今、細々と続けている仕事がなくなったりできなくなったりしたら、かなり困ります。
なので、身も蓋もないのですが……
経済的に行き詰まりそうになったら潔くきちんと働きましょう!
あくまでも隠居生活は、少し浮き世から離れたライフスタイル。
でも人間、そうそう完全に世を捨てられるわけにはいかないのです。
とはいえ、やっぱり隠居は楽しいですよ!
特に失うモノがないアラフォーの方、一度くらいは今のうちにどうでしょう? 隠居。
でも私、この文章には責任を持ちますが、皆さんの人生には責任をとれません。そこはどうぞ御容赦ください!
そう。自分で自分の人生に責任を持てる、ということが隠居に最も求められる人生観かもしれません。